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8/19 私見・福北の将来像 3.商業地域


 だいたい週一回のペースで福岡・北九州地域の将来像を自分なりの知識に基づいて述べています。あくまで私見ですので、目くじらを立てずに軽い気持ちでお読み下さい。何しろこのコーナー、「言いたい放題」ですから。

 商業都市と工業都市が存在する場合、他の都市とのつながりが全く存在しないと仮定して考えると、商業都市の工業に対する依存度よりも工業都市のそれの方が高くなるようです。商業都市に住む人々は工業都市に勤めにでも行かない限り、そこに行く用事はありません。しかし工業都市に住む人々は買い物のために商業都市まで出向きます。結果工業都市はいくら利潤を得たとしても、その利潤は商業都市へと流れてしまい、工業都市にはお金の蓄積がない状態がつづくことになります。
 ……以上、極端なモデルを紹介致しましたが、福岡と北九州の関係にもこれと似たようなものが存在するのは事実です。
 福岡には商業都市としての古い伝統と人材の蓄積があります。北九州には小倉・黒崎という商業地域が存在しますが、福岡のそれには及びません。また福岡には資本の蓄積とその運用を担う銀行本店がありますが、北九州には信用金庫のそれしかないところも状況を不利に働かせています。
 福北連携が叫ばれる時代になり、商業都市と工業都市の分業が自治体レベルでも協議されるようにはなってきましたが、北九州に商業地区が要らないか、という問題になると前述したようにそれには大きな問題があります。完全な工業都市には富の蓄積が少ないのです。商業地区との連携がなされてこそ、都市としてのアイデンティティと魅力が整うのだと言えるでしょう。

 福岡市の大型小売店(スーパーと百貨店)販売額は年間3436億円(H13年度)、対する北九州市は2283億円(H12年度)です。この差は現在開いていると考えられます。この統計時点では小倉・黒崎両そごうや長崎屋黒崎店などの売り上げ数値も加算されているからです。卸売業の年間販売額は福岡市約15兆円、北九州市2兆5千億円(ともにH11年度)と差は歴然としています。ここの部分は、福岡市の商業都市たる由縁の部分であるので仕方がないといえますが、小売店販売額の差の拡大は看過できるものではないでしょう。
 以前、都市の魅力は商業施設と深い関連性があることをこのコーナーで指摘しました(参照:2/20の特集)が、今後の福北交流を進展させるためには、相互に人が訪れる状況を作らなければなりません。そのためには、福岡に住んでいる人が小倉・黒崎を定期的に訪れるような、都市の魅力が必要となってくるわけです。現在の福岡と北九州は、北九州から福岡は「結構近い都市」ですが、福岡から北九州は「近くて遠い都市」となっています。小倉から天神に向かう人は週末休日に多く見られますが、逆の例はまだまだ少ないのが現状です。
 そもそもの原因は、北九州市が大企業に依存した工業都市であったことが高度成長期に災いしました。より広い、より安い土地を手に入れるために、新日鉄が、三菱化学が北九州から主力工場を移していきました。それまでの北九州経済を支えていた企業の利益は移転先の土地へと移され、残されたのは既存の商業地と住民だけ。銀行本店もない同市は窮地に陥ったのです。その後の福岡の発展は、大工場に依存しない公的機関・公益企業に支えられた県都経済という基盤に支えられてのものでした。
 銀行と公益企業を持たない北九州市が、今後も浮揚のためにあえぐことは仕方のないことでしょう。また福岡の商業が中央大手企業の進出によって、より消費者にとって魅力ある土地となるのも当然のことと言えます。しかし福北都市圏が共存共栄を図るためには、北九州市の再生が無くてはならない条件なのです。「福岡の人口だけではアジアの都市間競争に勝てない」とは、昨年の「ダイアモンド」誌に載っていた福岡市長・山崎広太郎氏のコメントです。双方がお互いの必要性を認めている今、北九州の商業再生が待たれているのです。
 将来的な私見を述べさせて頂くと、商業に関する問題は前に挙げた北九州の浮沈に全てがかかっていると言えます。小倉駅前の再開発ビルが活用されるか否か、黒崎副都心が再生するか。福岡は香椎や姪浜などの副都心整備が成功するかどうかによってさらなる発展への進展度が変わってくるでしょう。人工島が財政にどのような影響を与えるか、といった問題も気になるところです。
 商業地の棲み分けや双方向の協力がなされれば、事態は最善の方向に向かうと思います。見栄やプライドを取り除き、良い方向へ協力が進むか、今年、来年に行われる両市の市長選に全てがかかっているのかもしれません。
 
 今回の私見には主に以下のサイトにある資料(両ページとも統計コーナー参照)を用いました。
 http://www.city.kitakyushu.jp/(北九州市ホームページ)
 http://www.city.fukuoka.jp/(福岡市ホームページ)
 
 次回は「文化交流」について述べてみたいと思います。
 


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