2.平成2年
 川中生徒会長は、生徒会オリエンテーションにおいて、「学歴を積むことも、部活動で根性を養うこともとても重要だが、数年の後には皆社会人にならざるを得ないことを考えると、『人格の形成』を試みることが本来の勉強ではないのだろうか。是非生徒会活動に参加して、自己の向上を図って欲しい。」と言った。執行局内部の求心力も低下していたこの時期、生徒会はより多くの生徒の関心を求めていたのだ。

 この年はとびうめ国体が開催された年でもある。また教室棟の窓のサッシ取り替え工事が翌年にかけて行われ、そのために文化祭が現在の7月開催となった。結果、夏休みという長く貴重な準備期間が失われたために、文化祭の質は「低調」と言われているが、私はそうは思わない。実際7月22・3日に行われた企画を見ると、クラス参加は3つと少なく、文化部の企画もこれといって光るものはないが、自主制作ビデオが多く、生徒会企画として行われた、運動場展示のエッシャーの壁画は、一クラスずつが2、3枚のパネルを分担して描いた全体作品であり、生半端な努力ではなかなか出来ないものといえる。ただ難があったとすれば、当日のハプニングが多すぎたことぐらいであろうか。

 とびうめ国体の開会式では、雨の中音楽部がレインコートもつけずに笑顔で熱唱してくれたことが特筆される。また体育祭では総合成績で二年生が優勝。体育祭執行組織が執行局から分離したのもこの年であった。


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