9/24 北九州市が人口100万人を切る時代

 2000年9月現在の北九州市の人口は100万8000人程度である。これは1979年の最高時の人口からおよそ6万人、そして前年度からおよそ3000人減少している。単純に考えると、3年後には北九州市は人口100万人を切ってしまうことになる。そしてそれはおそらく避けられないだろう。
 北九州市はこの人口減少状態を手をこまねいてみていたわけではない。北九州市の基本都市構想である「北九州ルネッサンス構想」では産業振興や交通整備などを謳い、平成5年には人口減少に歯止めがかかるとしていた。しかし現実は甘くはなかった。なぜに人口は減り続けているのか
 人口の変化には社会移動(転勤などによる引っ越し等の人口移動)と自然増減の二つのパターンがある。今までの北九州市は社会移動による人口減少が非常に多かった。それに対する自然増により何とか減少幅を少なくすることができた。この社会移動の値は徐々に少なくなり、確かに平成5年の速報値による北九州市の人口変化は1ヶ月だけ人口増加に転じたことがあった。ここで頭をもたげたのは自然減の問題である。北九州市は65歳以上の高齢者の全人口に対する比率が18.5パーセントと、政令市の中では最も高い。新日鐵の人員縮小政策とともに自然減による人口減少が現在の北九州市の人口減少の一因であるといえ、これから自然減による人口の減少が激しくなるものと思われる。実際西日本新聞社によるデータベースによると2025年には北九州市の人口は85万人程度になると予想されている。
 現在人口の停滞化を起こしている政令市は北九州市・名古屋市・京都市などである。これらは都市圏全体に於いては人口増加を保ってはいるが、将来の全国的な人口減少を考えるとこれの維持も難しくなるだろう。北九州市は「環黄海ハブポート構想」や「西部学術研究都市構想」など、将来的な直接の人口増に繋がる大きなプロジェクトを抱えている。しかし福岡市との兼ね合いもあり、中核市としての都市人口の集中が見込めにくいことは考えなければならない。いずれにしてもこれからの人口減少時代に対応した新たな都市計画を急いで作成しなければならない時局に立たされていることは間違いない。


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