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8/27 私見・福北の将来像 4.文化交流


 だいたい週一回のペースで福岡・北九州地域の将来像を自分なりの知識に基づいて述べています。あくまで私見ですので、目くじらを立てずに軽い気持ちでお読み下さい。何しろこのコーナー、「言いたい放題」ですから。

 文化という言葉を用いると、北九州市民の間にはある種の劣等感のようなものがあるのではないでしょうか。かつてこの地域は「文化不毛の地」と呼ばれました。理由はいくつかあって、大企業に育てられた街であるこの地域は、昭和30年代までスポーツ面では起業宣伝も兼ねて力を入れていましたが、地域文化に貢献するという考えは、利益に結びつく部分を除いてまだ育ってはいませんでした(当時、企業メセナという言葉は一般化していません)。これは特に中央資本の会社に当てはまることです。
 これは工業都市と商業都市の決定的な違いのひとつであるといえます。工業都市には、ある種質実剛健とも言えるストイックな考え方が企業・市民ともにありました。翻って商業都市である福岡・博多には、自らの街を飾る意味できらびやかなデザインを誇る商店街や文化施設が次々に建てられました。キャナルシティ博多の様な施設が地元民間資本によって設立できるのは商業都市ならではと言えるのではないでしょうか。いうならば、北九州市は寡黙な都市であり、福岡市は雄弁な都市であると言えます。
 考え方の違いは深刻な事態を招きます。戦後のテレビ文化の発展は北九州市を取り残す結果を招きました。NHKを除く主要なテレビ局は全て福岡に地方局の本拠を置き、テレビから流れる地域情報は全て福岡・博多の情報となりました。我々世代の福岡に対する劣等感はこの様なところから育成されてきたのです。かつてTNC(テレビ西日本)は北九州八幡に本拠を置いていました。工業都市の気風にテレビ文化が合わなかったのか、局は八幡を離れ、テレビからは福岡の情報ばかりが流れます。返す返すも惜しいことだと言えます。
 大手新聞社の本拠は北九州にあるから良いではないか、という声も聞かれるかもしれませんが、新聞社には地域に対する遠慮のようなものが存在します。北九州には「北九州版」という地域面があり、福岡には「福岡版」、筑豊には「筑豊版」が紙面に掲載されます。ここには地域文化を尊重する姿勢が見られ、画一化を阻止しようという制作サイドの意地が感じられます。テレビにはそれがありません。福岡で流れる内容は同一テレビ局で流れている限り、どの地域で見ても同じです。この大衆文化は福岡への一極集中の一翼を担っているといえるでしょう(同じように若者世代の東京へのあこがれは、テレビから流れる東京情報限定番組の影響が非常に大きいと言えます)。逆のことを言えば、地方テレビ局が福岡に存在する限り、九州における福岡の繁栄は安泰と言えるのです。
 かつて福岡は草の根文化が栄えていました。フォークソングブームの最盛期、チューリップが、海援隊が甲斐バンドが福岡から全国に飛び出しました(この一翼をメディアから支えたのがTNCであることは意外と知られていません)。近年の浜崎あゆみ・椎名林檎の活躍も福岡が持っていた音楽文化のレベルの高さを物語っていると言えるでしょう。そもそもこういった文化は強制されて出来るものではないので、その効果はかなりのスパンで持続するものなのです。
 北九州にはそのようなものがあるのか、あります。演劇が最近注目されてきているのです。そもそものきっかけは、各地域に公民館が順次整備された谷市長時代にさかのぼります。身近なところでの練習場所が豊富にあったため、徐々に地元での演劇活動が盛んになっていきました。今では多くの劇団が北九州から演劇文化を世界に発信しています。飛ぶ劇場やうずめ劇場という劇団名はご存じの方も多いのではないでしょうか。1993年に市政30周年記念に行われた「北九州演劇祭」はその結実のひとつであり、さらに室町一丁目再開発ビルに建てられる北九州芸術劇場(仮称)はこの流れをますます加速していくことでしょう。
 最近「福北交流」の一環として福岡市美術館と北九州市立美術館とが互いの所蔵品を交換展示していることはご存じでしょうか。これは北九州・福岡の両市長の会談で決定したものであり、今後は六五歳以上の来館優遇処置を共同化するなど文化面の行政側の取り組みは今後ますます拡がるものと思われます。
 さて、いつもの調子で行くと、ここで北九州と福岡の今後の文化の行方を占うところではありますが、文化というものはトップダウン的に出来るものではなく、自然発生するものなのでここでのコメントは差し控えさせて頂きます。ただ、ひとつだけ言えることは、メディア文化、特にインターネットに代表されるような個人配信による文化の発展は、これまでの福岡主導による文化の進展から、相互の競争と提携による発展へとシフトしていくのではないだろうか、ということです。わたしはこの方向性に大いに期待します。

今回、文献の参考が一部分にありますが、紹介は差し控えさせて頂きます。
参考サイトは以下の通りです。
北九州市・福北提携ホームページ
http://www.city.kitakyushu.jp/~k1101011/hukuhoku/
第二回福北連携シンポジウムページ
http://www.city.fukuoka.jp/cgi-bin/odb-get.exe?wit_template=AC02022&WIT_oid=cxWm92mH92VfATcBxAuakLmuosCpUH
同シンポジウムアンケート結果
http://www.city.fukuoka.jp/download/15910539675.pdf



 次回は「再開発」について述べてみたいと思います。
 


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